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2011年08月08日

遠い夏の日

■■■■  隊長のBGM (NEW08/08 UP)  ■■■■
PCの音量にご注意 こちらから お入りください
。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。**:・' 







お隣のご一家が車に荷物を積み込んでいる。
毎年この時期、ご町内では見慣れた光景で、夏の風物詩みたいなもの。
家族4人分の荷物で、大きいワゴン車の荷室はすでに満杯になっていた。


今年もキャンプに行くんだね と声をかけた。


ダンナが、あちこち寄りながら丸瀬布がメイン だと話し、
さらに小さな声で囁くように 娘(高校生)が乗り気じゃなくて・・・ と付け加えた。
様子をうかがうと確かに、姉は少々ムスッとした感じで弟(中学生)はテキパキ荷物を運んでいた。


「お隣も来年の今頃は、夏休みの過ごし方が変わりそうだな・・・」 ふと思った。


ワタクシのご町内は古い付き合いで仲が良く、暇潰しに、おじさんやおばさんがぞろぞろ出てくる。
お茶やら何やらを差し入れしたりして、ワタクシも塩アメを差し入れしたりして。
恐縮する奥さんが車に乗り込み、ご町内の盛大な見送りをうけ一家は出発したのであった。


ワタクシは こりゃお土産が大変だな・・・ などと余計な心配をしてしまった。





ご近所に静けさが戻った頃、
ワタクシは遠い昔の、ある夏の日のことを思い出していた。
長女がまだ小学校の低学年だった頃の思い出。







その年の夏は家人と休みが合わず、一家で遠出が叶わなかった。
そんな娘が可哀想だからと、ワタクシと二人でプチ旅行を計画した。
車を使わず汽車とバスを乗り継いで、道東を一周してこようというもの。。





うろ覚えだけど、娘と一緒に立てた計画はこうだった。


朝早く釧路駅から、釧網線の各駅停車に乗る。
釧路駅では駅弁を買い汽車の中でそれを朝食にする。


遠い夏の日


弟子屈で降りてぶらぶら散策して、
ソフトを食べ「大鵬せんべい」をお土産に買う。
弟子屈のバスセンターから定期観光バスに乗り阿寒湖に向かう。



阿寒湖に着いたら食堂を探し、
昼食にカツ丼を食べソフトも食べる。
ぶらぶらお土産屋さんを廻り「まりも羊羹」をお土産に買う。



阿寒湖のバスセンターで釧路行きのバスを調べ、
それに乗って釧路へ帰る。
釧路到着は4時頃の予定だったと思う。


そんなことを二人で相談し、娘はしっかりとノートに書き留めた。
絵日記を書いて学校に持っていくらしかった。
出発までの数日間は、待ち遠しくてたまらない様子だった。





夏晴れの日、リュックを背負い水筒をぶら下げて汽車に乗った。
リュックには、家人が万一を考えこしらえたおにぎりやオヤツが入っている。
切符を買うのも釧網線の乗り場を確認するのも全部娘がやった。


駅弁を食べながらどんな会話をしたかは覚えていないけれど、
自分でいろいろ出来ることが、どこか得意気で誇らしそうな娘の顔があった。
弟子屈に着き 大鵬せんべい も買い阿寒湖行きのバスをチェックした。


遠い夏の日



1時間ほどの待ち時間を、
ソフトを食べたりぶらぶらしたりして過ごした。
娘はここでも大はしゃぎだった。





今もあるのか分からないが、当時は摩周湖や弟子屈と阿寒湖を結ぶ定期観光バスがあった。
そのバスに、十数名の観光客と共に娘とワタクシも乗り込んだ。
今よりもかなり険しい山道の、難所と言われた阿寒横断道路を越えるのだ。


遠い夏の日



山道に入る前は、青々とした牧草地や白樺林がある平坦な道。
当時エアコンは付いていないから窓を全開にしてバスは走り、
娘は窓から顔を突き出し遊園地気分で、吹き付ける風に髪をなびかせていた。



突然娘が ああっ! と悲鳴のような声を上げた。






ずうっと大事に抱えていた夏休みノートが窓から飛ばされてしまったのだった。
同じ側に座っていたお客さんの何人かがそれを見ていて少し車内がざわついた。
娘は首を思いっきり伸ばし呆然と後ろを見つめ、その目には涙をためていた。


ワタクシは娘の頭をさすりながら、ただ慰めるだけだった。
女性のお客さんたちもやって来て一緒に慰めてくれた。
そのうち娘はしゃくりあげながら大粒の涙をぼろぼろ落とし始めた。


運転手さんがこの様子に気づき「どうしました?」と聞いてきた。
娘が窓からノートを飛ばしてしまったと答えると、なんとバスを止めてくれた。
そしてその運転手さんは乗客に「すみません、ちょっとバックします」と言った。


まさか・・・


バスは100mくらいバックして止まった。
「この辺でしょうかね」今思うと、なんてのどかな時代だろうか。
それどころかお客さんも全員降りて道路脇の草むらを探してくれた。


うれしくて、申し訳なくて、ワタクシも娘と一緒に泣きたくなった。


でも見つけることができず、ワタクシは頃合を見て「もう出発してください」とお願いした。
再びバスは走り出し、お客さんが次々に娘のところへ来て、
お菓子やジュースをくれ、慰めたり励ましたりしてくれた。





やがて娘は落ち着きを取り戻したようだった。
双湖台から見える景色には興味を示さず、急カーブの連続でキャッキャとはしゃいでいた。
阿寒湖に着いた頃には笑顔が戻っていた。


バスから降りるときには皆さんが口々に声を掛けてくれた。
娘もワタクシもお礼を言い別れた。
運転手さんが「弟子屈に戻ったらもう一度探してみます」と言ってくれた。






阿寒湖では計画通りカツ丼を食べた。
娘は半分も食べることができず、「よし、お父さんに任せとけ」とここで唯一存在感を示した。
釧路行きのバス時間を調べ、ソフトを食べ まりも羊羹 も買った。


遠い夏の日



帰りのバスで娘は、ワタクシの膝枕でぐっすり眠っていた。






今この記事を書きながら、順を追って懐かしいあの一日を振り返っている。
娘も幼かったがワタクシも若かった。
今でも運転手さんやバスに乗り合わせた方々の顔を思い出すことができる。


あの頃釣りは一番の趣味ではなかった。
夫婦で懸命に子育てに追われていた。
果たしていい父親だったのだろうか・・・そのへんは曖昧だ。





後日談


娘との二人旅から10日くらい経ったある日、
娘宛に大きめの封筒の郵便物が届いた。
差出人は 阿寒バス弟子屈営業所のMさん そう、あの運転手さん。


中には、露に濡れて少しくしゃくしゃになった夏休みノートと、
絵はがきセットと、記念スタンプ帳と手紙が入っていた。
娘は飛び上がって喜んだ。もちろんワタクシも。


手紙には、
「何度か探しに行きようやく見つけることができました。
また弟子屈に遊びにきてくださいね。」
と書かれていた。


娘とワタクシはすぐにお礼状を書き、菓子折りと一緒に送ったと思う。
その年の暮れには年賀状も出したはずだ。
年明けMさんからも年賀状が返ってきたと記憶している。





2月に入ったある日、1枚のハガキが届いた。
差出人はMさんのご家族からで、「病気で急死した」と書かれていた。
お元気な頃は、いつも娘のことを嬉しそうに話していたそうだ。





あの日娘は、幼いながらも、
人の優しさとか感謝の気持ちとか、出会いと別れとか、
とても大切なものを学んでいたと思う。


あれからすでに長い年月が経っているけど、
今思い出しても感謝の思いが溢れてくる。



遠い夏の日


そんな娘も今は遠くの街へ嫁いでいる。
そしてもうじき帰ってくる。
何を食わせてどんな話をしようかしら。





普段、釣りのお話以外は書かないようにしているつもりですが、
まして身内のお話などは・・・
今回はつい、思い出すまま書いてしまいました。


長文ご精読、ありがとうございます。

※掲載画像は全てイメージです







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Posted by アメ隊長 at 18:04│Comments(22)昔話
この記事へのコメント
隊長…子を持つ者にとって

今日の記事て涙してしまいました


お会いした事はございませんが文章から伝わって来る隊長の娘さんの笑顔や泣いた顔を、勝手ながらに想像させて頂きました。
Posted by 珍タツ at 2011年08月08日 19:39
初めまして
ゴマちゃんと申します。
いつも、楽しく拝見させていただいています。
本日のお話に感動して、書き込みしました。
私も、昔を思い出してしまい、涙しました。
Posted by ゴマちゃん at 2011年08月08日 19:52
初めて書き込みさせていただきます
うちは二歳の娘がいます。いつも育児は嫁まかせ子供にこんな素敵な思い出を作ってあげたいなと思い、少しだけ涙しました
仕事も忙しく、育児や釣りもなかなかの生活。。。これからも楽しく拝見させてもらいます
Posted by 十勝人 at 2011年08月08日 20:20
隊長さんこんばんは(^B^)/

子育てに追われている頃の、人の優しさって心に沁みますね。
親にはなかなか教えられない思いやりや優しさを身をもって教えていただけるありがたさですね。
我が家もそうやって多くの方々に娘を育てていただいたように思います。
隊長さんの記事を拝見しながら、我が家の娘の幼かった頃を思い出させていただきました。
ありがとうございました。
Posted by B級釣師 at 2011年08月09日 00:08
隊長さん こんばんわ。

コメ入れさせて頂くのこれで2回目かと・・・。

私もかつて娘達を伴い随分色々な所へ出かけました。(ほとんど釣りです)
色々な人達にお世話になり二度と無い想い出を子供達と作る事が出来ました。

3人での最後の釣行は2年前、長女は嫁ぎ母親に、次女は夢を追い関東へ進学しました。

今日、読ませて頂き、当時を振り返り「バタバタしてた子育て時代って良かったなぁ」(当時はそんなこと思いませんでしたけど)と振り返ると共に良くしてくださった方々のことがあらためて思い出され胸の詰まる想いでした。

運転手さんのご冥福をお祈りしますと共に娘さん達と楽しい時間が過ごせますようにと願っています。
Posted by jari at 2011年08月09日 01:25
  隊長、初めまして。某新聞社の元釣り情報担当の「マル」と申します。
 単なるブログと思いつつも、読んでいて泣いてしまったのは初めてです。
 私もある程度釣り好きの高3娘がいます。小学生の時に1度だけ、一泊二日でサケ釣りに連れて行った時のことを思い出しました。2人で温泉に行ったものの、お金が無くて予定していた湯上がりのビールと娘のソフトが買えず、がっかりされたのを鮮明に覚えています。今では風呂に一緒に入ってくれませんね(笑)。
 話は変わります。書込は初めてですが、実は3年ほど前からこの蘭に訪問しています。釧路川を中心とした情報を何度も参考にさせていただき、ありがたく思っていました。あらためて執筆中は本当にありがとうございました。釣り情報から降板して1年半になりますが、今では自分の釣りの参考にさせていただいています。これからも楽しい人情あふれる情報探しに頑張って下さいね!!煩わしくなければ、時々来訪させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
Posted by マル at 2011年08月09日 18:02
隊長さん
お疲れ様です!


一人の父親として~今回の書き込みは...熱いもの感じました!


隊長が思ってる以上に~娘さんの心の中には凄い思い出になってる旅行だよね!

うちの息子にも...大人になった時に親父との思い出って作ってあげれるかな?


ちょび心配だよ!
Posted by 七五十 at 2011年08月09日 20:33
こんばんは!!

お久し振りです!!
思い出を読ませていただきました♪

とても読み易かったので、全部じっくり読めました。

何年か後に自分も似たような経験が出来るかと思うと、楽しみになってきます(^^)

良い記事をありがとうございました☆
Posted by なっち at 2011年08月09日 23:24
またもReコメが遅れ申し訳ございません




珍ちゃん おはよ~

意外と涙もろいのね(笑
この子も、最近はおばさんと呼ばれるとボヤいておりました。
大きくなったものです。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 08:17
ゴマちゃん おはよ~

どーもはじめまして。
他愛もないお話ですが、
長く生きてるといろいろありまして。
しょーもないblogですが、
よろしくです。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 08:23
十勝人ちゃん おはよ~

はじめまして
おこさんは2才ですか。可愛いでしょうね。
ワタクシもそのくらいの子供ならもう一人欲しいです(笑
よそんちの子でも抱っこしたくなります。
これからどんどん思い出を作ってくださいね。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 08:30
Bちゃん おはよ~

どこかの政党が、
社会全体で子供を育てるって言うけど、
昔からそんなの当たり前のことで・・・
娘ならではの思い出がありますね。
息子だったらまた違ってただろうなぁって思います。
我が家は女ばっかりなのでワタクシは肩身が狭いです(笑
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 08:37
jariちゃん おはよ~

確か去年どこかでご一緒しましたっけね。
何だか我が家と似てる家族構成ですね。
年齢構成も似通ってるようです。
一応子育ての荷が下りた頃でしょうか。
ウチの娘たちは釣りには全く興味を示しません。
どうも、育て方を間違ったようです(笑
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 08:44
マルちゃん おはよ~

はじめまして
プロのお方からお褒めをいただけるとは光栄です。
褒められると伸びるタイプなので、
我ながらこれから先が楽しみなような不安なような・・・(笑
釣りに関してはもうマンネリの局地で、
目新しさは全くゴザイマセン。
そんなもんで、これからもよろしくです。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 08:53
七五十ちゃん おはよ~

おたくの息子さんは、ありゃただ者じゃないですよ。
何ていうか性格がいいというか男らしいというか・・・
きっとオヤジに似たのでしょう(笑
あんな息子ならワタクシも欲しいと思いました。
また秋にご一緒しましょう。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 08:57
なっち おはよ~

ご無沙汰しています。
いろんなとこにいっぱい一緒に行って、
たくさん思い出を作って頂戴。
何が心に残るかは年月が経たなきゃわかりません。
親子の間で無駄なことなど何もないからね。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月11日 09:02
お疲れ様です。
ちょっと泣けてきちゃいましたよ。
そんな隊長さんはきっとステキなお父さんだったに
違いないですよ。
Posted by おみちゃん at 2011年08月12日 00:12
おみちゃん おはよ~

いやぁーワタクシなんか、ただのトドみたいなオヤジですよ。
ところでそちらは暑いでしょ。へばってませんか。
こっちもそこそこ暑いですよ。次元が違うけどね。
ワタクシ、意地でも半袖を着ないように頑張っておりますよ(笑
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月12日 07:21
隊長おはようございます!
ちと忙しく拝見遅れました・・・しかしエエ話ですなぁ(泣)
やっぱり隊長の文章はセンス有りますよね。
読んでるだけでその時の情景まで想像出来ます!
その文章力を生かしでそのうち自伝でも出版してください(笑)

あと父親との大冒険(?)は一生の宝物として思い出に残ってるハズです。
子供の為にそんな思い出作りをしてあげれる隊長は間違いなく良い父親ですよ!
Posted by  ゴン太 at 2011年08月14日 08:59
ゴンちゃん おはよ~

忙しそうだね。
ちゃんと体を休めなきゃいけませんよ。
自伝だなんてアナタ、
そんなもの誰も読まんですよ。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月15日 07:23
アメ隊長…素敵です

思わず涙が出ちゃいました
私は父との思い出らしきモノやらが無いので

娘さんが羨ましいです。


暑い夏も まだ続きそうで
うちの駐車場で焼肉やってます

ぜひ来て下さいな
Posted by MANA at 2011年08月17日 17:36
MANAちゃん おはよ~

焼肉っすか・・・魅力的な響きです。
いつやるですか。
ぜひお誘いください。
そーいえば、
十勝勤務は終わったのかしら。
Posted by アメ隊長アメ隊長 at 2011年08月18日 07:35
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